今日の一人一人が分断され孤立していっている状況ではオカルトは、たやすく個々人が勝手に編む、自分用の物語になり得てしまう。ウソをつくのが下手な正直者が平然と自分を括弧にくくってウソをつく、そんな倒錯が当たり前になってゆく薄気味悪さを、 この映画は描いている。 高橋洋(映画監督/脚本家)
映画『オカルト』白石晃士監督作